■ 占いの段階について 3/3
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逸話

占いの達人の話 (その2)


暫くして、彼氏(恋人)ができなくて悩んでいる女が訪れた。

「あなたは、はずれたことのない占いの達人と聞いています。 ぜひ占ってもらいたいことがあります」

達人は、男の時と同じように、にっこり笑って、

「まあ、そこに座って、お茶でもどうかな」

と言ってお茶を差し出した。

女は、ゆっくりと座り、達人の入れたお茶を飲んだ。 暫く沈黙が続いた後、女が話し出した。

「私は、なかなか彼氏ができなくて悩んでいます。私には彼氏ができるか占ってほしいのです」

達人は、その言葉を無視するように言った。

「そうだ、昨日もらった美味しいまんじゅうがある。ひとつどうかな」

差し出されたまんじゅうを女は「おいしい」と言って食べた。

「それは、東の町にある銘菓店のものらしくな…」

そんなたわいもない話から始まり、会話が続く。 女も饒舌(じょうぜつ)になり、色んなことを達人に話した。

時が流れ、夕暮れとなってきた。

「もうこんな時間。そろそろ私帰りますね」

「占いは、どうする?」

女性は微笑んだ。

「彼氏ができるとかできないとか、何だかどうでもよくなってしまいました」

達人は、にっこりとした。

「はっはっは。大丈夫、近くお主には素敵な彼氏ができる」

この女性に彼氏はできたのか?

勿論、達人の言った通り、すぐにできたそうである。

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